生まれ故郷に産業を作るため
Sirinya Coffee の創設者のスーポンさん。
1984年、ドイチャン生まれ。
難民や基本的な衣食住にアクセスできない人たちのために神学を学ぶため、
一度はドイチャンを離れました。
2012年に家族の経営する農園で働くために帰郷しました。
栽培から、加工、抽出までコーヒーの魅力に引き込まれていきました。
スペシャルティコーヒーの生産を教えることで、
村人たちを助けることができると考え、
故郷のある山岳の村の手助けになるビジネスをしたいと考えています。
ケシの地からコーヒーの国へ
タイ産コーヒーの歴史において、
アラビカ種の栽培は1970年代初頭に始まり、
80年代には農業として確立されていきました。
その主導権を握ったのが、当時のタイ国王。
かつてタイ北部はゴールデントライアングルの一角として、
ケシ栽培が盛んに行われていました。
しかし、麻薬の原料となるケシが地元住民の健康に害を及ぼすなど深刻を極めたため、
当時の国王のラーマ9世は麻薬の撲滅を始動して、
ケシの代わりにコーヒーや果物の栽培を推奨しました。
これが、「ケシ栽培撲滅ロイヤルプロジェクト」です。

若き生産者が追求する超マイクロロット
平均年齢が38歳と若く、めざましい発展を遂げているタイ。
中米などコーヒー生産国として長い歴史をもつ産地では
農園主の高齢化や跡継ぎ不足が問題になっている中、
タイでは若い世代がコーヒー栽培を始めています。
彼らの特徴は、世界の消費国や生産国のトレンドや動きを捉え、
自分たちのコーヒー栽培にすぐ取り込む柔軟さ。
彼らが熱意を向けているのは、生産量1トンにも満たない、
「超マイクロロット」とも呼べるコーヒーづくり。
栽培からはじまる全ての工程をこだわり抜いたその品質は、
メジャーな生産国に引けをとることはありません。
しかしながら経済が発展したタイにおいて、
高品質な超マイクロロットは国内消費に回ることがほとんど。
そのようなロットに出会う機会が少ない日本では、
まだまだタイのコーヒーへの関心は高いものではないのが実情です。
味の特徴
苦味と甘みのバランスが良いです。
丸みのある質感によりスルスルと飲み進めてしまいます。
ナチュラルらしいピーチやあんずのフレーバーを感じつつも
落ち着いた印象で、苦味や酸味・甘味のバランスも良いです。
素朴ながら華やかな印象も感じられる味わい